「貸しているアパートの外壁塗装、経費にできるの?」
「100万円以上かかるけど、一度に経費にしていいのか分からない」
「減価償却と言われても、何年で割ればいいのか知りたい」
賃貸アパートや貸家の外壁塗装は、不動産所得の必要経費として扱うことができます。 ただし、工事の中身によって、その年に全額を経費にできる「修繕費」 になる場合と、何年かに分けて経費にする「資本的支出(減価償却)」 になる場合があります。一般に、傷んだ外壁を元の状態に戻すための塗り替えは修繕費になりやすく、性能を大きく高める工事は資本的支出になりやすい、というのが基本の考え方です。
この記事では、修繕費と資本的支出の違い、国税庁が示している判定の目安、減価償却の考え方を、東京都東大和市で外装リフォームを行うクラフトホームズが解説します。
※この記事は一般的な仕組みの説明です。実際の判断は、工事の内容や建物の状況で変わります。確定申告の前に、必ず税理士または税務署にご確認ください。
目次
1. まず前提|経費にできるのは「貸している部分」の工事
2. 「修繕費」と「資本的支出」の違い
3. 国税庁が示す判定の目安(20万円・3年・60万円)
4. 資本的支出になったときの減価償却
5. 経費にするために準備しておきたい書類
6. よくある質問
7. まとめ
まず前提|経費にできるのは「貸している部分」の工事
外壁塗装の費用を経費にできるのは、家賃収入を得るための建物(アパート・貸家・貸店舗など) の工事です。ご自身が住んでいる自宅の外壁塗装は、原則として経費にはなりません。
| 建物の使い方 | 経費にできるか | 考え方 |
|---|---|---|
| 自宅(自分が住んでいる) | 原則できない | 生活のための支出のため |
| アパート・貸家(全部を貸している) | できる | 不動産所得の必要経費 |
| 賃貸併用住宅(一部を貸している) | 貸している部分のみ | 床面積の割合などで分けるのが一般的 |
| 法人名義の建物 | できる | 法人税のルールで判断 |
賃貸併用住宅では、建物全体の工事費のうち、貸している部分に当たる金額だけが経費になります。分け方は床面積の割合を使うのが一般的ですが、具体的な計算は税理士にご相談ください。
「修繕費」と「資本的支出」の違い
| 修繕費 | 資本的支出 | |
|---|---|---|
| 工事の目的 | 傷んだ部分を元の状態に戻す・維持する | 建物の価値を高める・長持ちさせる |
| 経費のしかた | その年に全額を経費にできる | 減価償却で何年かに分けて経費にする |
| 外壁での例 | 劣化した塗膜の塗り替え、ひび割れ補修、コーキングの打ち替え | 性能を大きく高める工事、建物の寿命を延ばすような大規模な改修 |
たとえば「10年前と同じくらいの塗料で塗り替えた」場合は、元の状態に戻す工事として修繕費になりやすいと考えられます。一方で、塗装の範囲を超えて外壁材を新しくする、断熱性を大きく高めるなど、元の状態より明らかに良くなる部分 は資本的支出と判断される可能性があります。
同じ「外壁塗装」でも、工事の内容と金額によって扱いが変わるため、見積りの段階から工事の中身を分けて書いてもらう ことが大切です。
国税庁が示す判定の目安(20万円・3年・60万円)
修繕費か資本的支出か迷う場合のために、国税庁は次のような目安を示しています(所得税の場合)。上から順に当てはめていくと考えると分かりやすくなります。
| 順番 | 確認すること | 当てはまれば |
|---|---|---|
| ① | 1回の修理・改良の金額が 20万円未満 か | 修繕費 |
| ② | おおむね3年以内の周期 で行う修理・改良か | 修繕費 |
| ③ | 明らかに価値を高める・使える期間を延ばす工事か | 資本的支出 |
| ④ | ③か修繕費か区別がつかない場合、金額が 60万円未満 か、または建物の 前年末の取得価額のおおむね10%以下 か | 修繕費 |
| ⑤ | ①〜④のどれにも当てはまらない | 実態に応じて判断 |
(国税庁 タックスアンサーNo.1379「修繕費とならないものの判定」をもとに作成。令和8年4月1日現在の法令等)
外壁塗装は、一般に10年前後ごとに行う工事のため、②の「3年以内の周期」には当たらないことが多いでしょう。また、建物全体の塗装は60万円を超えることも多いため、実際には「元の状態に戻す工事かどうか」という中身で判断する ことになるケースが多くなります。
法人で建物を持っている場合も、同様の考え方が国税庁 タックスアンサーNo.5402「修繕費とならないものの判定」で示されています。
資本的支出になったときの減価償却
資本的支出と判断された部分は、その年に全額を経費にできず、減価償却(何年かに分けて少しずつ経費にすること) をします。
国税庁によると、資本的支出は原則として、元の建物と同じ種類・同じ耐用年数の資産を新しく取得したもの として扱います。つまり、建物の耐用年数に合わせて償却していくことになります。
住宅用の建物の耐用年数(法定耐用年数)
| 建物の構造 | 耐用年数 |
|---|---|
| 木造・合成樹脂造 | 22年 |
| 木骨モルタル造 | 20年 |
| 鉄骨造(骨格材の厚さ3mm以下) | 19年 |
| 鉄骨造(3mm超〜4mm以下) | 27年 |
| 鉄骨造(4mm超) | 34年 |
| 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造 | 47年 |
(国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」より)
たとえば、木造アパートで外壁工事の一部(100万円)が資本的支出になった場合、耐用年数22年の定額法で償却すると、1年あたりの経費は約4.6万円(100万円×償却率0.046)が目安です(1年目は使い始めた月からの月割り)。修繕費なら100万円をその年に全額経費にできるため、その年の税額への影響は大きく変わります。
なお、修繕費になるか資本的支出になるかで「どちらが得か」は、その年の所得や今後の計画によって変わります。自分で有利な方を選べるわけではなく、工事の実態で判断される点に注意してください。
経費にするために準備しておきたい書類
工事の後で慌てないよう、次の書類をそろえておきましょう。
- 見積書:工事項目ごとに金額が分かれているもの(足場・洗浄・補修・塗装など)
- 契約書・請求書・領収書:支払った金額と日付が分かるもの
- 工事写真:工事前の劣化の様子と、工事後の写真(元の状態に戻した工事であることの説明に役立ちます)
- 使用した塗料の名前:同程度の塗料か、性能を大きく上げたものかの説明に使えます
賃貸併用住宅の場合は、自宅部分と賃貸部分の面積が分かる図面 もあると、按分の説明がしやすくなります。
【現場から一言】
「賃貸オーナー様からは『税理士さんに出すので、見積りを項目ごとに細かく分けてほしい』とご依頼いただくことがあります。工事前・工事後の写真も報告書にまとめてお渡しできますので、ご相談ください。」
よくある質問
Q. 外壁塗装と屋根の葺き替えを同時にした場合、扱いは同じですか?
A. 工事ごとに判断するのが基本です。外壁の塗り替えは修繕費、屋根の葺き替えは工事内容によって資本的支出、と分かれることもあります。見積りを工事ごとに分けておくと、判断や説明がしやすくなります。
Q. 足場代はどちらに入りますか?
A. 足場は塗装や屋根工事のために必要な費用のため、それぞれの工事に含めて考えるのが一般的です。複数の工事で共用する場合の分け方は、税理士にご確認ください。
Q. 自宅の外壁塗装で使える税金の優遇はありますか?
A. 外壁塗装そのものに対する控除は基本的にありません。ただし、省エネ改修など一定の条件を満たす工事では、減税制度の対象になる場合があります。制度は年度で変わるため、最新情報は国税庁へご確認ください。
まとめ
- 経費にできるのは、アパート・貸家など家賃収入を得る建物(貸している部分)の工事
- 元の状態に戻す塗り替えは「修繕費」になりやすく、価値を高める工事は「資本的支出」になりやすい
- 国税庁の目安は「20万円未満」「おおむね3年以内の周期」「60万円未満または前年末取得価額の約10%以下」
- 資本的支出は、建物と同じ耐用年数(木造住宅用なら22年)で減価償却する
クラフトホームズでは、賃貸物件の工事でも、項目ごとに分けた見積書と工事写真付きの報告書をご用意しています。現地調査・お見積りは無料です。最終的な税務の判断は、税理士または税務署にご確認ください。
▶ 関連記事:外壁塗装の見積書チェック10(NO.006)/外壁塗装は分割払い・ローンできる?支払い方法の基本(NO.031)
▶ 施工事例:施工事例の一覧を見る
無料点検・お見積りのご相談
東大和市・立川市・小金井市・国分寺市・三鷹市・武蔵野市・世田谷区ほか
📞 0120-990-656(受付 9:00〜19:00/日曜定休)
「劣化が気になる」段階のご相談も歓迎です。その場での契約はお願いしません。


