「屋根の端が、パイ生地みたいにめくれている」
「『パミールだから塗装できない』と言われたけど、本当?」
「築15〜20年なのに、屋根材がボロボロになってきた」
アスベスト(石綿)を使わない「ノンアスベストスレート」は、1990年代半ばから使われ始めました。ただ、切り替わった初期のころの製品の中には、耐久性が十分でないものが一時期出回った とされています。その代表例としてよく知られているのが「パミール」です。こうした屋根材は、表面がはがれる劣化が進むと塗装では直せないため、カバー工法か葺き替えで対処するのが基本 です。
この記事では、ノンアスベストスレートの代表的な不具合と見分け方、塗装が向かない理由、対処法と費用の目安を、東京都東大和市で外装リフォームを行うクラフトホームズが解説します。
目次
1. ノンアスベストスレートとは?
2. パミールなどに見られる不具合の症状
3. うちの屋根はどの屋根材?見分け方
4. 塗装では直らない理由
5. 対処法と費用の目安
6. よくある質問
7. まとめ
ノンアスベストスレートとは?
スレート(「コロニアル」「カラーベスト」とも呼ばれる薄い板状の屋根材)は、セメントに繊維を混ぜて薄い板にしたものです。昔はこの繊維にアスベストが使われ、割れにくく丈夫な屋根材になっていました。
アスベストの健康被害が問題になり、1990年代半ばから、アスベストを使わない ノンアスベストスレート への切り替えが進みました。ところが、アスベストの代わりの材料で同じ強さを出すのは難しく、切り替え初期の製品には、ひび割れやはがれが起きやすいものがあった とされています。
| 時期 | スレートの特徴 |
|---|---|
| 1990年代半ばごろまで | アスベストを含むものが多い。重く丈夫だが、撤去には注意が必要 |
| 1990年代後半〜2000年代後半ごろ | ノンアスベストへの切り替え期。一部の製品に早期劣化の不具合 |
| 2000年代後半以降 | 改良されたノンアスベスト製品が主流 |
※時期は目安です。同じ時期の製品でも、すべてに不具合があるわけではありません。
パミールなどに見られる不具合の症状
パミールは、1990年代後半から2000年代後半ごろに販売されていたノンアスベストスレートの一つです。代表的な症状は次のとおりです。
| 症状 | どんな状態か | 起きやすい場所 |
|---|---|---|
| 層状のはがれ(層間剥離) | 屋根材が何層にも分かれて、パイ生地のようにめくれる | 屋根材の先端(軒先側) |
| 先端の欠け・崩れ | はがれた部分がもろくなって欠け落ちる | 軒先・日当たりのよい面 |
| 細かいひび割れ | 表面に細かい割れが多く入る | 屋根全体 |
| 屋根材のずれ・落下 | 固定している釘がさびて弱り、屋根材がずれる | 屋根全体 |
特に多いのが 層状のはがれ です。屋根材の表面が薄くはがれ、重なった紙がめくれるような見た目になります。症状は築10年を過ぎたころから目立ち始め、年数とともに広がっていく傾向があります。
放っておくとどうなる?
屋根材の下には防水シートがあるため、表面がはがれたからといって、すぐに雨漏りするわけではありません。ただし、はがれや欠けが広がると雨水が入り込みやすくなり、防水シートの傷みを早めます。また、欠けた破片が雨樋に詰まったり、強風で落ちたりする こともあります。
うちの屋根はどの屋根材?見分け方
屋根材の商品名は、見た目だけでは判断しにくいことがあります。次の方法で確認します。
- 新築時の設計図書・仕様書を見る:屋根材の商品名が書かれていることが多くあります
- 建てた年を確認する:1990年代後半〜2000年代後半に建てた家は、ノンアスベストへの切り替え期の屋根材の可能性があります
- 専門業者に点検してもらう:屋根材の形や劣化の出方、裏側の刻印などから判断します
ご自身で屋根に上って確かめるのは危険です。 劣化した屋根材は踏むと割れやすく、転落の危険もあります。
塗装では直らない理由
一般的なスレート屋根は、10年前後ごとに塗装することで長持ちさせられます。しかし、層状のはがれが起きている屋根材には、塗装はおすすめできません。
- 塗料は屋根材の表面にくっつくため、表面ごとはがれてしまえば塗膜も一緒にはがれる
- 塗装前の高圧洗浄で、もろくなった表面がさらにはがれやすくなる
- 塗装で見た目が一時的にきれいになっても、屋根材そのものの強さは戻らない
つまり、塗装の費用をかけても数年で再びはがれてしまい、結局カバー工法や葺き替えが必要になる、ということが起こりえます。「塗装でまだ大丈夫です」と言われた場合は、屋根材の種類と状態をきちんと確認したうえでの提案かどうかを確かめましょう。
対処法と費用の目安
| 対処法 | 内容 | 費用の目安(30坪) | 向いている状態 |
|---|---|---|---|
| 点検・部分補修 | 割れた部分の差し替え・固定 | 数万円〜 | 症状が一部だけ・すぐに大きな工事ができない |
| カバー工法 | 今の屋根の上に防水シートと金属屋根をかぶせる | 70万〜150万円 | 下地が健全・雨漏りがない |
| 葺き替え | 屋根材を撤去し、下地から新しくする | 100万〜250万円 | 雨漏りがある・下地が傷んでいる |
クラフトホームズの料金の目安は、料金プランをご覧ください。点検・お見積りは無料です。
多くの場合、下地がしっかりしていればカバー工法 が第一の選択肢になります。軽いガルバリウム鋼板などの金属屋根をかぶせるため、屋根の重さの増加も少なく済みます。雨漏りがあって下地の板が傷んでいる場合は、撤去して下地から直す葺き替えを選びます。
ノンアスベストスレートは、アスベストを含まないため、葺き替えの際にアスベストの撤去・処分費がかからない点は安心材料です。ただし、法律上、工事前には有資格者による事前調査が必要です(アスベストを含まないことの確認も含みます)。
【現場から一言】
「軒先がめくれている屋根を見て、『前に塗装したのに』とがっかりされる方もいらっしゃいます。屋根材の種類によっては、塗装より最初からカバー工法を選んだほうが結果的に安く済むことがあります。写真で状態をお見せしながら、塗装・カバー工法・葺き替えを比べてご説明します。」
よくある質問
Q. パミールの屋根は、すぐに工事しないといけませんか?
A. はがれが一部だけで雨漏りもなければ、すぐに工事しなくてよいこともあります。ただ、劣化は年数とともに進むため、定期的に点検し、外壁塗装など足場を組むタイミングに合わせてカバー工法を検討するのがおすすめです。
Q. 屋根材のメーカーに保証や補償を求められますか?
A. 保証の内容や期間は、製品や購入時期によって異なります。気になる場合は、新築時の住宅会社や屋根材メーカーに問い合わせてみてください。
Q. 同じ時期のスレートは全部ダメなのですか?
A. いいえ。同じ時期の製品でも、問題なく使えているものも多くあります。築年数だけで判断せず、屋根材の種類と実際の状態を点検で確かめることが大切です。
まとめ
- 1990年代後半〜2000年代のノンアスベストスレートの一部に、早く劣化する製品がある
- パミールなどでは、屋根材が層状にはがれる・先端が欠けるといった症状が多い
- 表面がはがれる屋根材は、塗装しても塗膜ごとはがれるため、塗装は向かない
- 下地が健全ならカバー工法(70万〜150万円)、傷んでいれば葺き替え(100万〜250万円)が目安
クラフトホームズでは、屋根材の種類と傷み具合を確かめたうえで、塗装・カバー工法・葺き替えを比べてご提案しています。現地調査・お見積りは無料です。
▶ 関連記事:アスベストを含む屋根はどうする?カバー工法と撤去の違い(NO.044)/屋根塗装とカバー工法どっちを選ぶ?(NO.004)
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