「うちの屋根、アスベストが入っているかもしれないと言われた」
「アスベストがあると、屋根の工事はできないの?」
「カバー工法と撤去、どちらを選べばいいか分からない」
2006年9月より前に建てられた家のスレート屋根やセメント瓦には、アスベスト(石綿)を含むものがあります。ただし、屋根材に含まれるアスベストはセメントで固められているため、割ったり削ったりしなければ、一般に飛び散りにくいとされています。 工事の方法は大きく 「上から新しい屋根をかぶせるカバー工法」と「撤去して新しくする葺き替え」 の2つで、屋根の下地が健全ならカバー工法、下地まで傷んでいるなら撤去 が基本の考え方です。
この記事では、アスベストを含む屋根の見分け方、工事の前に法律で決まっていること、カバー工法と撤去の違いと費用の目安を、東京都東大和市で外装リフォームを行うクラフトホームズが解説します。
目次
1. うちの屋根にアスベストは入っている?
2. 屋根工事の前に法律で決まっていること
3. カバー工法と撤去(葺き替え)の違い
4. 費用の目安と見積りで確認したいこと
5. どちらを選ぶ?判断のポイント
6. よくある質問
7. まとめ
うちの屋根にアスベストは入っている?
アスベストは、燃えにくく丈夫なことから、かつては多くの建材に使われていました。現在は健康への影響から、2006年(平成18年)9月以降、製造・使用などが全面的に禁止 されています。
| 建てた時期・屋根材 | アスベストを含む可能性 |
|---|---|
| 2004年ごろ以前のスレート屋根・セメント瓦 | 含んでいる可能性がある |
| 2004年ごろ〜2006年8月 | 製品によっては可能性がある |
| 2006年9月以降に着工 | 原則として含まない |
| 粘土瓦・金属屋根(ガルバリウム鋼板など) | 屋根材そのものには基本的に含まない |
見た目だけでアスベストの有無を判断することはできません。新築時の 設計図書(仕様書)に書かれた屋根材の商品名 や、現地での確認、必要に応じた分析によって調べます。
屋根工事の前に法律で決まっていること
アスベストに関するルールは、近年大きく強化されています。屋根のリフォームでも、次のことが法律で決められています。
① 工事の前に「事前調査」が必要
建物の解体や改修工事を行う業者(元請業者)は、工事の規模にかかわらず、アスベストを含む建材が使われているかを事前に調べなければなりません。調査は、設計図書などを確認する「書面調査」、現地で建材を確かめる「目視調査」、必要に応じた「分析調査」の順に行います。
② 調査は資格を持つ人が行う
2023年(令和5年)10月1日以降に着工する工事では、一般建築物石綿含有建材調査者などの資格を持つ人 による事前調査が義務づけられています。
③ 一定規模以上は国と自治体へ報告
次の工事では、事前調査の結果を労働基準監督署と自治体へ報告する必要があります。
| 工事の種類 | 報告が必要になる規模 |
|---|---|
| 建物の解体 | 床面積の合計80㎡以上 |
| 建物の改修(屋根工事など) | 請負金額100万円以上(税込) |
④ 撤去するときは「割らずに外す」
2021年4月から、大気汚染防止法でも屋根のスレートのような石綿含有成形板が規制の対象になりました。撤去する場合は、できるだけ割ったり切ったりせず、原形のまま手作業で取り外す のが原則で、難しい場合は水や薬液で湿らせて飛散を防ぎます。作業者には保護具の着用や特別な教育も求められます。
厚生労働省は、工事を依頼する施主(発注者)に対しても、見積りに事前調査の費用が入っているか確認すること や、設計図書などの情報を業者に提供することを呼びかけています。
カバー工法と撤去(葺き替え)の違い
| カバー工法(重ね葺き) | 撤去(葺き替え) | |
|---|---|---|
| 工事の内容 | 今の屋根の上に防水シートと軽い金属屋根をかぶせる | 今の屋根材を撤去し、下地から新しくする |
| アスベストの扱い | 屋根材を残すため、撤去・処分が不要 | 法律に沿った方法で撤去・処分が必要 |
| 飛散のリスク | 割らずに覆うため低い | ルールを守れば抑えられるが、作業の管理が重要 |
| 下地の補修 | できない(下地が健全なことが条件) | 傷んだ下地の板も直せる |
| 屋根の重さ | 少し重くなる(金属屋根なら増加はわずか) | 軽い屋根材を選べば軽くできる |
| 将来の注意点 | アスベストを含む屋根材は残るため、将来の解体時に撤去が必要 | アスベストの心配がなくなる |
カバー工法は、アスベストを含む屋根材を「封じ込める」方法 です。撤去や処分の費用がかからず、工期も短めです。一方で、屋根材は家に残るため、将来家を解体するときには撤去と処分が必要になります。
費用の目安と見積りで確認したいこと
| 工事 | 費用の目安(30坪) |
|---|---|
| カバー工法 | 70万〜150万円 |
| 葺き替え(アスベストを含まない場合) | 100万〜250万円 |
| アスベストを含む屋根材の撤去・処分の追加費用 | 数十万円(50万〜90万円上乗せとする情報もある) |
※屋根の広さ・形、アスベストを含む量、撤去の方法、処分場までの距離などで大きく変わります。
クラフトホームズの料金の目安は、料金プランをご覧ください。点検・お見積りは無料です。
見積りでは、次の点を確認しましょう。
- 事前調査の費用が含まれているか(調査の方法・調査者の資格)
- 撤去する場合、撤去・運搬・処分の費用 が分けて書かれているか
- 請負金額が100万円以上の場合、報告を行うか
- 撤去する場合、湿らせる・手で外すなど 飛散を防ぐ方法 が説明されているか
「アスベストがあるので、すぐに撤去しないと危ない」と不安をあおって契約を急がせる業者には注意してください。
どちらを選ぶ?判断のポイント
カバー工法が向いているケース
– 雨漏りがなく、屋根の下地(野地板)がしっかりしている
– 費用と工期をできるだけ抑えたい
– 今後20年ほど住み続ける予定で、当面解体の予定はない
撤去(葺き替え)が向いているケース
– 雨漏りが続き、下地の板が傷んでいる
– 屋根の上にカバーをかぶせる余裕がない(すでに一度カバー工法をしている など)
– 将来の売却や解体を考え、アスベストを残したくない
どちらの場合も、まずは資格を持つ人による調査で、アスベストの有無と屋根の状態を確かめることが出発点です。
【現場から一言】
「アスベストと聞くと不安になる方が多いですが、まずは図面や屋根材の確認で、本当に含まれているかを調べることから始めます。そのうえで、カバー工法と撤去の両方の見積りを並べて、ご家族の予定に合う方法を一緒に考えましょう。」
よくある質問
Q. アスベストを含む屋根に住み続けても大丈夫ですか?
A. 屋根材のアスベストはセメントで固められているため、割れたり削られたりしていなければ、一般に飛び散りにくいとされています。ただし、ひどく割れている、自分で高圧洗浄をするなどの場合は注意が必要です。気になるときは点検をご依頼ください。
Q. アスベストを含む屋根に塗装はできますか?
A. 屋根材の傷みが少なければ、塗装でメンテナンスすることもあります。ただし、塗装の前の洗浄や下地処理で屋根材を傷つけないよう配慮が必要です。洗浄や下地処理で屋根材を傷める可能性がある工事では、塗装でも事前調査の対象になります。
Q. 事前調査の費用は誰が負担しますか?
A. 調査は工事を行う業者に義務づけられていますが、その費用は工事費の一部として見積りに含まれるのが一般的です。見積りに調査費が入っているかを確認してください。
まとめ
- 2006年9月より前に建てられた家のスレート屋根・セメント瓦は、アスベストを含む可能性がある
- 屋根工事の前には事前調査が必要で、2023年10月以降は有資格者による調査が義務
- カバー工法は撤去・処分が不要で費用を抑えやすく、撤去は下地まで直せてアスベストが残らない
- 見積りでは、事前調査費・撤去処分費・飛散防止の方法を確認する
クラフトホームズには、一般建築物石綿含有建材調査者・石綿作業主任者の資格を持つスタッフがおり、調査から工事まで一貫して対応しています。現地調査・お見積りは無料です。
▶ 関連記事:葺き替えとカバー工法の違い(NO.029)/ノンアスベストスレート(パミール等)の不具合と対処法(NO.045)
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