「築20年を過ぎたけど、まだ塗装で大丈夫?」
「築30年になる。そろそろ屋根ごと直したほうがいいの?」
「この先何年住むかわからないのに、大きなお金をかけていいのか迷う」
築20年・30年の家は、「塗り替えるだけで済むか」「屋根や外壁そのものを直す時期か」の分かれ目 にあたります。新築から10年ほどは塗装の点検が中心ですが、20年・30年と進むにつれて、塗装の下にある防水シートやコーキング(外壁の継ぎ目のゴム状の材料)、外壁材そのものの傷み を確かめる必要が出てきます。
大切なのは、「あと何年この家に住むか」から逆算して、工事の内容と予算を決めること です。
この記事では、築20年・30年の家の外装リフォームの考え方と計画の立て方を、東京都東大和市で外装リフォームを行うクラフトホームズが解説します。
目次
1. 築20年・30年はなぜ「計画」が大切なのか
2. 築20年の家でチェックしたい場所と工事
3. 築30年の家でチェックしたい場所と工事
4. 工事の種類と費用の目安
5. 「あと何年住むか」で計画を立てる
6. 計画を立てるときの進め方
7. よくある質問
8. まとめ
築20年・30年はなぜ「計画」が大切なのか
新築から最初の10年ほどは、外壁や屋根の表面の塗膜(塗料の膜)が家を守っています。ところが築20年・30年になると、表面だけでなく、その下の部分にも年数なりの傷みが出てきます。
| 築年数 | 家の状態の目安 | 主なメンテナンス |
|---|---|---|
| 築10年前後 | 塗膜の色あせ、チョーキング(触ると白い粉がつく)が出始める | 1回目の外壁・屋根塗装、コーキング打ち替え |
| 築20年前後 | 2回目の塗り替え時期。ベランダ防水や雨樋、板金の傷みも出やすい | 2回目の塗装、付帯部(雨樋・破風など)の補修、防水 |
| 築30年前後 | 屋根の下の防水シートや外壁材そのものが寿命に近づく | 屋根カバー工法・葺き替え、外壁の張り替え・カバー工法の検討 |
※年数は一般的な目安です。外壁材・屋根材の種類、前回の工事内容、日当たりや風当たりで大きく変わります。
築20年・30年の工事は金額が大きくなりやすく、「塗装でつなぐか、屋根や外壁を新しくするか」で費用が数十万〜百万円以上変わる ことがあります。その場しのぎで決めるのではなく、次の10年・20年を見通した計画 が大切です。
築20年の家でチェックしたい場所と工事
築20年前後は、多くの家で2回目の塗り替え時期 にあたります。1回目の塗装をしていない家では、劣化が進んでいることも少なくありません。
チェックしたい場所
– 外壁:チョーキング、ひび割れ、サイディング(板状の外壁材)の反りや浮き
– コーキング:ひび割れ、痩せ、剥がれ。1回目の塗装で増し打ち(上から足すだけ)だった場合はとくに注意
– 屋根:スレート(薄い板状の屋根材)の色あせ・ひび・欠け、棟板金(屋根のてっぺんの金属)の浮きや釘の抜け
– ベランダ:床の防水のひび・膨れ、排水口の詰まり
– 雨樋・破風・軒天:雨樋のゆがみ、破風板(屋根の側面の板)の傷み、軒天(屋根の裏側の天井)のシミ
築20年で多い工事
– 外壁・屋根の塗り替え(足場を1回で済ませるため同時に行うことが多い)
– コーキングの打ち替え
– 棟板金の釘打ち直し・交換
– ベランダ防水のトップコート(表面の保護塗装)の塗り替え、または防水のやり直し
この時期に 下地(塗装の下の部分)をしっかり直しておくと、築30年の大きな工事を先に延ばせる 場合があります。
築30年の家でチェックしたい場所と工事
築30年前後になると、表面の塗装だけでは解決できない傷みが出てくることがあります。
チェックしたい場所
– 屋根の下の防水シート(ルーフィング):屋根材の下にあり、雨水が家の中へ入るのを防ぐ最後の砦です。外からは見えないため、天井のシミや屋根裏の点検で確かめます
– 屋根材そのもの:スレートのひび・割れが多い、反っている、塗装しても密着しにくい状態
– 外壁材そのもの:サイディングの反りや割れが多い、モルタル(セメント系の塗り壁)の大きなひび
– 窓まわり・サッシ:雨漏りの入口になりやすい場所
– 天井・壁紙のシミ:雨漏りがすでに起きているサイン
屋根材や防水シートが寿命に近い場合、塗装をしても雨漏りを止めることはできません。この段階では、屋根カバー工法(今の屋根の上に新しい屋根を重ねる工事)や葺き替え(屋根をはがして新しくする工事) を検討することになります。
また、2006年以前に建てられた家 では、屋根材や外壁材に石綿(アスベスト)を含む建材が使われている可能性があります。はがす工事では事前の調査と適切な処理が必要になり、費用にも影響します。
工事の種類と費用の目安
30坪前後の一般的な戸建てを例に、主な工事の費用の目安をまとめました。
| 工事 | 費用の目安(30坪前後) | 耐用年数の目安 |
|---|---|---|
| 外壁塗装 | 60万〜100万円 | 塗料により8〜20年程度 |
| 屋根塗装 | 25万〜65万円 | 塗料により6〜25年程度 |
| 外壁+屋根の同時塗装 | 100万〜180万円 | ― |
| 屋根カバー工法 | 70万〜150万円 | 屋根材により15〜30年程度 |
| 屋根葺き替え | 100万〜250万円 | 屋根材により15〜50年程度 |
| コーキング打ち替え | 10万〜20万円程度 | 塗装と同じ時期に行うのが一般的 |
※目安です。家の形、劣化の状態、選ぶ材料、足場の条件などで変わります。アスベストを含む屋根の撤去が必要な場合は、さらに費用がかかります。
クラフトホームズの料金の目安は、料金プランをご覧ください。点検・お見積りは無料です。
参考として、新築から30年以上住んでいる一戸建ての方を対象にした調査では、築30〜35年の家でこれまでにかかった修繕費の平均は約425万円 という結果が出ています(アットホーム調べ、2021年)。外装だけでなく、水まわりなども含めた金額ですが、「30年住むと数百万円単位の修繕費がかかる」という目安になります。
「あと何年住むか」で計画を立てる
築20年・30年の外装リフォームでいちばん大切なのは、この先の住まい方 です。同じ家でも、住む年数によって選ぶべき工事が変わります。
| この先の予定 | 考え方の例 |
|---|---|
| あと5〜10年で住み替え・建て替え予定 | 雨漏りを防ぐための最低限の補修と、価格を抑えた塗装 |
| あと10〜20年住む予定 | 耐久性の高い塗料での塗装、屋根の状態によってはカバー工法 |
| 子どもに引き継ぐ・30年以上住む予定 | 屋根カバー工法・葺き替えなど、長持ちする工事でメンテナンス回数を減らす |
たとえば、あと10年しか住まないのに一番長持ちする高価な工事を選ぶと、元が取れないこともあります。反対に、長く住むのに安さだけで選ぶと、数年後にまた足場を組む ことになり、結果的に高くつくことがあります。
60代・70代の方は、「老後の生活費」と「次に工事が必要になる年齢」 も一緒に考えておくと安心です。80代で大きな工事の打ち合わせや立ち会いをするのは、体力的にも負担になります。
計画を立てるときの進め方
- 今の状態を知る ― まずは専門家に点検してもらい、写真付きで説明を受けます。屋根は自分で上らず、点検の写真で確認しましょう。
- 住まい方を家族で話し合う ― あと何年住むか、子どもが引き継ぐ予定はあるかを確認します。
- 「今やる工事」と「次にやる工事」を分ける ― 急ぐもの(雨漏り、板金の浮きなど)と、数年先でもよいものを整理します。
- 足場をまとめる ― 足場が必要な工事(外壁・屋根・雨樋など)はできるだけ同じ時期に行うと、足場代が1回で済みます。
- 同じ条件で見積りを比べる ― 2〜3社から、工事内容と材料をそろえた見積りを取ります。
【現場から一言】
「築20年・30年のご相談では、『あと何年住む予定ですか?』と最初にお聞きしています。同じ家でも、住む年数によっておすすめする工事が変わるからです。迷っている段階でも、点検の写真を見ながら一緒に考えましょう。」
よくある質問
Q. 築30年ですが、まだ塗装で大丈夫でしょうか?
A. 屋根材や外壁材そのもの、防水シートに大きな傷みがなければ、塗装で対応できる場合もあります。反対に、雨漏りがある、屋根材の割れが多いといった場合は、塗装では直りません。点検で状態を確かめてから判断しましょう。
Q. 築20年で一度も外壁塗装をしていません。もう手遅れですか?
A. 手遅れとは限りません。ただし、ひび割れやコーキングの傷みが進み、下地補修の費用が増えることがあります。なるべく早めに点検を受け、必要な補修を確認してください。
Q. 工事は一度にまとめたほうがいいですか、それとも分けたほうがいいですか?
A. 足場が必要な工事は、まとめると足場代が1回で済みます。一方、予算に限りがある場合は、雨漏りにつながる部分を優先し、残りを数年後に回す方法もあります。両方の見積りを出してもらい、比べてみるのがおすすめです。
まとめ
- 築20年は2回目の塗り替え、築30年は屋根や外壁そのものを直すかどうかの分かれ目
- 築30年前後は、屋根の下の防水シートや外壁材の傷みを点検で確かめる
- 「あと何年住むか」から逆算して、塗装・カバー工法・葺き替えを選ぶ
- 足場が必要な工事はまとめ、急ぐ工事と後でよい工事を分けて計画する
築20年・30年の工事は、次の10年・20年の住まいを左右します。まずは今の家の状態を知るところから始めましょう。
▶ 関連記事:外装リフォームの長期メンテナンス計画表(30年)(NO.099)/屋根と外壁を同時に行うメリット(NO.030)
▶ 施工事例:施工事例の一覧を見る
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